ヨンファサ(蓮華寺) 千手観音図

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ヨンファサ(蓮華寺) 千手観音図 (ソウル市有形文化財第344号)

ヨンファサ(蓮華寺) 千手観音図 (ソウル市有形文化財第344号)

ハンボン(漢峰)ウンジャク(應作)、ポサン(宝山)ポクジュ(福柱)、チョンアム(清菴)ウンジョ(雲照)、テボム(大凡)、ポンジョン(奉典)、ヘボ厶(海梵)などが描いた千手観音図で、1901年に掛仏図、神衆図、七星図とともに造成された。

柳の枝が挿さった浄甁と経冊を捧げ持つ4臂とともに8臂を持ち、海の真ん中に突き出た蓮華座の上に座っている観音菩薩を本体として、千手千眼を表した千手観音図である。

ヨンファサ(蓮華寺)の千手観音図には、善財童子と龍角を持つ龍王が観音菩薩の方を向いて立っている。千手観音図に善財童子が描かれたのは『華厳経』入法界品によるもので、善財童子が多くの善知識を集めて菩薩行と菩薩道を問う途中、28番目に補陀洛迦山にとどまっていた観音菩薩を訪れ、請法している様子を表したものだ。
千手観音図で善財童子と対称に龍王が描かれたのは、朝鮮後期の水月観音図にならったものと推測されており、蓮華寺の千手観音図が高麗時代以来の千手観音図の伝統を受け継ぐ一方で、朝鮮後期以降の水月観音図の図像を継承したことを表している。蓮華寺の千手観音図はその後、テサンサ(台山寺)の千手観音図(1925年)へ継承された。
この仏画は、ハンボン(漢峰)ウンジャク(應作)が首画師となりポサン(宝山)ポクジュ(福柱)、チョンアム(清菴)ウンジョ(雲照)、テボム(大凡)、ポンジョン(奉典)、ヘボ厶(海梵)とともに描いたものだ。應作は19世紀後半のソウル・キョンギ(京畿)地域を中心に活動した画僧で、蓮華寺をはじめポンウォンサ(奉元寺)、チョンリョンサ(青龍寺)などの仏画を制作した。應作は、初期はテウンダン(大恩堂)トンヒ(頓喜)、ポサンダン(宝山堂)ポクジュ(福柱)、チョンアムダン(清菴堂)ウンジョ(雲照)、テボム(大凡)、ポンジョン(奉典)などの画僧とともに作業したが、ソウル・京畿地域の代表的な画僧であるキョンソンダン(慶船堂)ウンソク(応碩)の抄本を利用した作業を行うなど、ソウル地域の画風をあまねく取り入れて自らの作品世界を築いた。

高麗時代~朝鮮時代の千手観音図の図像を継承した作品として、19~20世紀のソウル・京畿地域の仏画の流れと画僧の活動を研究するにあたっても重要な資料である。また千手観音図は、ソウル地域のみでなく韓国全域でも現存しているものはとても希少である。

情報

  • 指定番号ソウル市有形文化財第344号
  • 指定日2013年3月7日
  • 管理主体ヨンファサ(蓮華寺)
  • 所在地トンデムン(東大門)区キョンヒデロ3ギル56 (フェギ(回基)洞)